またもやマイナーな話題コーナーです。
今回は「若くして亡くなったものの、生き続ければ境地に達しただろう作曲家」(長い)を紹介します。

■リリ・ブーランジェ
フランス近代の女性作曲家といえば、タイユフェール…と言いたいところですが、
個人的にはリリ・ブーランジェ推しです。
当時の作曲家から影響を受けつつも、どの曲にも独自の静謐さと甘さが一貫してあります。
特に合唱曲はフォーレにもない清澄な響きで、24才で亡くなってなければと惜しまれるばかりですね。
ぼーっと身を任せて聴いていたい音楽の数々です。

■アルベール・ユイブレシュト
ベルギーの作曲家ですが、聴くところ色々な国の作曲家の影響を感じれますね。ラヴェル・ドビュッシー・シェーンベルク等々。
しかもそれらが混ざり合うのではなく、楽曲の展開で使い分けされており、全体的に聴くと独特の印象を受けます。
官能さ・情熱・精神性・優雅さのそれぞれを同時に持つという稀有な作曲家だと。

ちなみにネットや手持ちのCDを調べてみると没年が皆違う…おそらく1938没だと思われます。それでいくと享年39。

■ハンス・ロット
マーラーの先駆けと言っても良い作曲家で、現存している作品自体は非常に少ないです。
楽曲はどれもブルックナーのように堅牢かつ、響きは華やかと良いとこ?どりで、
とか色々書いてますが実際のところ手持ちのCD一枚しか聴いたことが無く、それでも作品は大体網羅されているので

すが、作曲の評価をするには十分と思わせる楽曲の質だと思います。おそらく完ぺき主義者だったのでしょうね。
晩年は精神病にみまわれながら、25才で亡くなりました。

■アントン・アレンスキー
近代に生きながらロマン派から抜け出ず、
ロシア作曲家ながら、国民学派と言えるほどのロシア的な表現もなく、
当時としてはなかなか異端だったのではないでしょうか。
いわゆる作曲家としてのアイデンティティを示さず亡くなったので、現在ではあまり日の目をみないですが、
楽曲自体は非常に良く出来ていて、その”音楽”を発展していく前に亡くなってしまった感があります。

…と書いていて連想するのは、現代の作曲家も少なかれ似た境遇なのではということです。
いつ無くなるか分からない音楽家生命を考えると、常に音楽の事を考え研ぎ澄ませ、真摯に研鑽を積まなくてはなぁ…と思う限りですね。