モンセラートの朱い本
最近はCDをプレイヤーに入れて再生する機会もめっきり減ってきていますが、それでも時々はライナーノーツを横目に"ひと手間"かけて聞きたいものがいくつかあります。
その中でもモンセラートの朱い本が纏められたこのアルバムです。
歌詞の内容的にはキリスト教に基づいたいくつかの説法や説話をテキストにしていますが、音楽そのものはどこか牧歌的であり、愉楽を含み、演奏に遊びを許容する内容になっています。
この本の成立が13世紀から14世のカタルーニャということですが、
12世紀頃からスペインや南フランスには自ら詩を作り、歌を即興する”トルバドゥール”と呼ばれる貴族が多く、各地の王宮などを歴訪しては簡単な楽器の伴奏とともに歌った歴史があります。
(同じ頃北フランスに起こった”トルヴェール”、ドイツでの”ミンネゼンガー”も大体同じようなもので、彼らは一般に吟遊詩人、抒情詩人と呼ばれます)
彼らの歌う詩の内容は恋の歌・自然の讃歌・道徳的なものといったように、音楽へのアプローチは現代と変わりがないものではありますが、このモンセラの朱い本と時代を同じくしていた事は面白くもあり、奇妙にも思えます。
音楽の専門家でなければ、あらかじめ記譜されているような音楽では感情の高まりであるとか、霊感の一瞬であるとかを表現するのに都合が悪いことが多々あります。
トルバドゥールは専門家による即興が確立されたことに対し、モンセラートの朱い本は朴たる信仰者のために書かれた魂の譜面なのです。
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色々とリペイント系のアプリを購入してみて分かるのは、クオリティの高いアプリはそれぞれ独特の手法で何かを実現しているところ。
出来上がりの良し悪しは好みもありますが、大胆なタッチや細やかな手法が見る者を引き付けるのは間違いありません。
これは音楽にも言えることなので、勉強になりますね。
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作例はiphoneSEのカメラで撮った写真のみ素材に加工しました。
黙祷
ピエール・ブーレーズ氏死去
http://www.asahi.com/articles/ASJ166W3HJ16UHBI03Z.html
学生時代はよく作品を勉強したものでした。
弦楽四重奏について
昨今、弦楽四重奏というものがどれぐらい世間に浸透しているかは分かりませんが、おそらく馴染みのないものだと思います。
一般的にはバイオリンが2人、ビオラ1人、チェロ1人の小編成の室内合奏で、クラシック愛好者でも生演奏を聴く機会に恵まれていないのが現状ではないでしょうか。
そんなわけでここでは弦楽四重奏を色々と紹介していきましょう。
ノクターンという曲について
"Nocturne"という名前でアルバムを出すにあたって、少しクラシックの紹介をしておきましょう。
Nocturne=ノクターンは日本語では「夜想曲」と呼ばれており、文字通り「夜に想う曲」です。
一般的には「夜が明けていく時に、その名残を想う」情緒を表現したものとされています。ショパンのピアノ曲が有名ですよね。
もともとフィールドが開拓したジャンルと言われ、ショパンの楽曲で世間に浸透し、様々な作曲家がNocturneを作ってきました。
それではさっそくノクターンを聴いていきましょう。
■ピアノ
ジョン・フィールド ノクターン4番
夭折が惜しまれる近代作曲家
またもやマイナーな話題コーナーです。
今回は「若くして亡くなったものの、生き続ければ境地に達しただろう作曲家」(長い)を紹介します。
■リリ・ブーランジェ
フランス近代の女性作曲家といえば、タイユフェール…と言いたいところですが、
個人的にはリリ・ブーランジェ推しです。
当時の作曲家から影響を受けつつも、どの曲にも独自の静謐さと甘さが一貫してあります。
特に合唱曲はフォーレにもない清澄な響きで、24才で亡くなってなければと惜しまれるばかりですね。
ぼーっと身を任せて聴いていたい音楽の数々です。
沁みる曲を書こう(総合編)
個人的なメモ。
今まで聴いた音楽で無条件で涙が出る曲を集めてみました。
■ジェラルド・フィンジ
5つのバガテル - フォルラーナ
ピアノと弦楽のためのエクローグ
続きは以下から
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沁みる曲を書こう(泣ける弦合奏編)
個人的なメモ。続きです。
■ジェラルド・フィンジ
弦楽合奏のためのロマンス
孤高の作曲家フィンジの曲は現在自分が目指している到達点に近いイメージです。
曲自体は単純な作りですが、悲しくも温かく、
また聴く人によって印象が変わるような懐の深い曲です。
余談:フィンジのCDはAmazonUKで買うと格安で手に入り、母国だけに品揃え豊富です。
続きは以下から
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沁みる曲を書こう(泣ける弦四・五・六・八編)
アルバム制作も落ち着いてきたので、次のアルバム制作に入ってます。
実は力を入れて弦楽四重奏を書き進めていたのですが、思うところがあってほとんど破棄しました。
話は飛んで、ドイツレイクイエムでブラームスは「泣くものは幸いである。彼らは慰められるだろうから」という聖書の一節を歌詞に引用しています。
まさにこういう慰めの曲を弦楽四重奏で書きたい。
…とまあ前置きは置いておいて、自分メモ用に弦楽奏の沁みる曲をツラツラ貼っておきます。
普段は室内楽を聴かない人も必聴ですよ!
■ガブリエル・フォーレ
弦楽四重奏-2楽章
自分の葬式の時はこれを流して欲しい曲。
全楽章にわたって憂いと優しさに満ち溢れた傑作です。
続きは以下から
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いまいちメジャーに成りきれてない作曲家の泣きたいほど美しい曲~バッハ以前
さて、勝手な主観で紹介するコーナー。
今回はバッハ以前です。
■マルカントワーヌ・シャルパンティエ
修道女のためのスターバト・マーテル
続きは以下から
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いまいちメジャーに成りきれてない作曲家の泣きたいほど美しい曲~近代編
気ままに楽曲を紹介するコーナーです。
今回はタイトル通り、重箱の隅をつつく勢いです。
かなり失礼なテーマですが、こういうの好きなので…
■シャルル・ケクラン
2台のピアノのための組曲から
ケクランはフォーレの管弦編曲で有名ですが、作曲活動は独自の和声法を開拓して、調性は残るも前衛に足を突っ込んでいます。
個人的にはスクリャービンのフランス版というイメージ…
続きは以下から
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回文的音楽
「回文的逆行可能なカノン」という曲があります。
こんな曲です。
動画の演奏は同じ楽譜を一方が逆から読んで演奏しています。
音楽として成立しているので、回文的逆行可能なカノンという名で知られています。
そこで回文音楽をオーディオ・リバースで出来ないかと試してみました。
どうでしょうか?
このオーディオを逆再生してもまったく同じ通りに響くのですが…ちょっと短かったかも。
ちょっと研究してみる価値ありですね。